こんにちは。HoScAスタッフのにしこです。
スウェーデン留学日記第2記、今回はちょっと話がずれて、最近ある体験を通して感じたことを記したいと思います。
どんなときでも、自分の根底にある気持ちを忘れてはいけないな….と思えたお話です。
ご存知の方も多いもしれませんが、スウェーデンは福祉国家として有名です。国民は、高い税金を払う代わりに国から手厚い社会保障を受け取っています。
その甲斐あってか、(これまで知人に訊いた中でですが)国民も「スウェーデン国内にあまり社会問題はない」と言っている方が多いように感じられます。
確かに、僕の住む街リンショーピンにも、ホームレスの方などを道ばたで見かけることはほとんどありません。
そんなスウェーデンの南の街Malmöを旅行している時です。
(写真はその前に訪れたデンマークの街です笑)
クリスマスムードに包まれる街中を歩いていると、目の前を足の不自由なホームレスとみられる男性の方が歩いてきました。右手には杖を、左手には小銭を入れるプラスチックのカップを持ち、ヨタヨタしながら道行く人に何も言わずお金を乞っていました。
僕はその時、瞬時に「まずい」と思ってしまいました。
なぜなら、その方の身なりや態度をみて何とも言えない少しの怖さのようなものを感じ、そしてその畏れ故に彼を無視することで後に自分が負うであろう罪悪感が目に見えていたからです。
「ああ、これでこの人を見てみぬふりをすれば自分は後で罪悪感を感じるだろう。でもあの身なり、ちょっと近づくのは怖いな、どうしよう」と心で葛藤しながら、その方の横を通過しました。
…が、少し進んだ途中で振り返ると、彼が通りすがる人々にずっと小銭の入れ物を差し出しています。けれど、みんなが見てみぬ振りです。
「きっとあの人、こうして無視されることには慣れているんだろう。それでもああしてずっとお金を集めて、一日一日を暮らしているんだろうな。」と僕は想い、
ふと、
「自分は、こうして道行く人のように見てみぬ振りをする人と一緒でいいのかな」「目の前の困っている人に手を貸せないで、国際協力なんて変だな」と思いました。
僕は足の向きを戻し、彼のところに戻りました。
そして自分の財布から小銭を取り出そうとすると、
スッ…と彼が手を差し出してきました。
ピンクの手袋に包まれたその手を握ると、彼はニコッっと笑って「ありがとう」と手を握り返してきました。
その笑顔があまりに素敵で、僕は「ああ、引き返してよかった」と思いました。
僕が渡した少しのお金で、こんなに感謝してもらえて、そして彼が少しでも楽ができるんだと。
確かに、ただ単にここでお金を渡しても長期的な解決にはならないかもしれません。
一日のご飯くらいのものでしょう。でも、目の前に困っている人がいて、それを放っておくことはおかしいなと、その時思いました。
けれど、これを意識することでその代わりに、
「自分が実際に誰かに手を貸し、そして誰かの幸せを少しでもサポートし、そして時には感謝さえされたりして感じる言葉にできない暖かい気持ち」
を僕は少し忘れていたかもしれません。
そんな気持ちを、この体験は蘇らせてくれました。
「目の前の人に自分のできることをする。」
結局はこのことって、最高の助け合いの形じゃないかと、改めて感じることができました。
そんなお話です。
さあ!これからはこの気持ちをいつでも忘れないように、目の前の人に自分のできることをやるぞー!
長くなってしまいましたが読んで下さった方、ありがとうございます。
また、こんな脱線話でもちょくちょくしてみたいと思います。
ではでは〜
写真は(今度こそ)マルメの街より
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